五十肩 ごじゅうかた

「五十肩(肩関節周囲炎)」とは、肩の関節が痛んで、関節の動きが悪くなる病気です。症状はさまざまだが、多くの場合、服を着たり、棚の上のものを取ろうとしたりするなど生活動作の中で肩の関節を動かしたときに激しい痛みを感じる運動痛と、夜中に肩にズキズキとした痛みを感じてひどいときには眠れないなどの夜間痛があります。

原因

加齢によって肩の関節をつくっている骨や軟骨や靭帯、腱などが硬くなり、組織が炎症を起こして発症することが多いといわれています。 炎症を起こした肩の関節の中で、組織が癒着してしまうとさらに動かしづらくなります。

治療

五十肩(肩関節周囲炎)は痛みの出ている場所や肩の動きなどを診て診断します。診断の際には、腱の断裂や肩の関節の変形、頚椎の疾患や、神経性の疾患、がんなどの腫瘍、内臓が原因となっている痛み、リン酸カルシウム結晶が肩で石膏状になる石灰沈着性腱板炎など他の病気が隠れていないか注意して診断します。 
治療は肩関節の痛みを治めることと、肩の動きづらさを解消することの2点があります。 肩の痛みが強い時期は腕を上げたり、物を持ったりといった肩に負担がかかることは避けて安静にします。痛み止めとして消炎鎮痛薬を内服したり、冷やさないタイプの湿布を貼ったり、炎症を抑える作用のあるステロイド剤やヒアルロン酸製剤などを関節に注射したりする場合もあります。  痛みが治まったタイミングで肩の関節を動かすためのリハビリを行い、運動療法と同時に、ホットパックや入浴などの温熱療法で血のめぐりを改善して肩が動く範囲を取り戻す治療を行います。