脊椎圧迫骨折 せきついあっぱくこっせつ

「脊椎圧迫骨折」とは、 身体の大黒柱であるせぼね(脊椎)が、負荷に耐えかねて押しつぶされるように変形してしまう骨折です。 寝返りをうつ時や、起き上がる時、体動時等に痛みが出ることが特徴です。痛みを感じない人も多くいますが、およそ3人に1人は、骨折時に背中や腰に激しい痛みを感じるといわれています。痛みは、安静にしていると治まることもありますが、それだけではつぶれた椎体は元の形には戻りません。つぶれた椎体をそのままほうっておくと、せぼね全体のバランスが崩れていき、他の椎体にかかる負担が大きくなります。そのため、せぼねがひとつ折れると、1年以内に次の骨折が発生しやすいという研究結果もあります。

原因

骨粗しょう症になると、尻もちはもちろん、くしゃみをしたり、不用意に重いものを持ち上げたりといった、ちょっとしたきっかけで、椎体がつぶれることがあり、いつのまにか骨折していることもあります。骨粗しょう症によりもろくなった骨は非常に骨折しやすく、圧迫骨折のみならず、太ももの骨の骨折などもあいまって、寝たきりの原因となることもしばしばです。骨粗しょう症の検査は比較的簡単に行えるため、気になる方は一度検査をしてみることをお勧めします。

治療

あくまで骨折ですから通常の骨折と同様、治療法は「整復と固定」です。 多くの場合、コルセットを着用して骨がくっつくのを待ちます。すでに骨がもろくなっている方は、投薬や注射によって骨粗しょう症を改善していくことと、転倒や重い物を持ち上げるなど、背骨への過度の負担を避けることが重要です。 特に女性は発症しやすいことから、定期的な骨密度検査を行っておくとよいでしょう。